1 図書館問題特別委員会を傍聴して

  731日(木)930分より 第一委員会室

    傍聴者 市民 3名、  議員 1名

 

議題 1「これからの図書館像について」

@   図書館長から「これからの図書館のあり方について」の説明

    ・ 図書館の設置及び運営上の望ましい基準(平成241219日告示・施行)
それまでの平成13年7月施工の「望ましい基準」がどのように改正さ
れたのかの説明。

特に、

「絶えず図書館サービスの質を高めていくことで、利用者の学習活動を支
えるのみならず、地域の課題解決を支援し、地域の活性化に貢献して
いくことが求められる
ことが強調された。

    ・ 公立図書館の使命として

○ 経営の基本  組織が追求する目的を明確にすること

         ○ 地方自治体のミッション  まちづくり、ひとづくり

○ 地域社会の側からも図書館を見る

      公立図書館の目標

○ 読書支援

      ・ 本好きをターゲットにした従来のサービス

      ・ 図書館職員は、「本の貸し出し手続きをする人」

○ 課題解決支援

      ・ 今まで図書館を利用していない、特に課題を抱えた人々にも図書館を
利用してもらうことをめざす 

            ・ 図書館職員の主な仕事は「必要な資料や情報の探し方を援助すること」

   ・ 課題解決サービスの実践事例として

○ 鳥取県南部町立図書館

          ○ 長野県塩尻市立図書館

          ○ 北海道帯広市図書館

          3つが紹介された。が、館長は実際見てはいない。

 

 A 江南市立図書館の現況として 副館長から説明

          職員数、司書資格保有率など

職員の研修内容、ボランティアの活動内容、

電子書籍の説明など

 

A   議員からの質問など

  A議員:現実の図書館を見ていると(基準)は難しい。今の江南にふさわしいのか

     ハローワークと連携(帯広図書館)、犬山のハローワークのように混雑
してしまうのでは。具体的なところは?

  館長:直接見に行っていない。帯広図書館は、パンフレットなどを置いて支援
する場所。

  B議員:「望ましい基準」の「図書館サービスに努めなくてはならない」は努力
義務ですね。

  館長:やらなければいけないものではない。指針として。

  C議員:指針から1年半経っている。やるためには予算が必要。財源に対する指
針はあるのか。

  館長:ない。実績を積みながら予算を要求していきたい。今は、ボランティアの
人たちに支えてもらいながらのめいっぱいの活動である。

  A議員:武生の図書館は年間100万人の入館者。アミューズメント型で、「おもし
ろいから行ってみよう」と言うことになる。

     文科省の「望ましい基準」は正攻法。

  館長:全国的には武生のような例が増えるかもしれない。しかし、利用者の視
点に立って、そういう図書館はどうなのか?

     複合型(他の施設と併設)の図書館が一番多い。私もそういう図書館に
魅力を感じる。居心地の良い図書館を目指したい。

  A議員:前館長は、図書館の中に喫茶店がほしいと言っていた。   

          中断 オフレコ  再開

    B議員:館長の役割の重要性が書かれている。指定管理ではなく、市の職員とし
て館長を置かなければいけない。公立図書館の館長が指定管理者だと、
継続的に人を確保できない。教育委員会はどう考えているのか。

    教育委員会:持ち帰って考えておく。

    D議員:一宮は市の行政の一環(牧野:来年からは指定管理だ)

一宮の図書館も入館者が増えている。江南からも1000人ぐらい行っていると
いう。それを聞いてショックだった。

   館長:一宮市は地域資料の電子化は行っているが、電子書籍の貸出は行っていない。

    E議員 :行政からも必要な資料を頼んだら持ってきてくれるのか。

    館長:持って行く。学校からも要望があれば届けに行く。

A議員:10年後は電子書籍が主流になっているのでは。郷土資料を電子化していく
といいが。予算は、図書館からか、市からかどちらから要望するのか。

館長:市にお願いしたい。電子化するには機材などが必要。

F議員:市民と議会の意見交換会(7月27日)で、「江南市の図書館の位置づけが
低いのでは」と言う声を聞いた。どうなのか

    館長:私たちは、現状の中で最高のサービスを提供していきたい。

 

議題 2

 その他

    次回特別委員会 822日(金)9時半から

議題  江南図書館の現状(施設面、運営面など)

  教育委員会に現状把握に必要なデータを事前に求め、望ましい基準に
  対して現状はどうなのか、問題点と課題を議論する。

 

傍聴した感想

・ 館長・副館長とも、文科省の基準に沿った図書館づくりをしていきたいという姿勢を感じた。
「居心地のいい図書館」という館長のことばに先日見学した田原中央図書館が浮かんだ。目指す
図書館像の方向性は同じだと感じられた。

・ 議員は、館長の説明で「課題解決支援」という新たな図書館の使命を聞き、今までの図書館のイ
メージが多少変わったのではないかと思う。しかし、8月、10月の委員会、11月の田原中央図書館
見学(特別委員会として)で、今年度はまとめに入るらしく、来年4月改選のため、どこまで本気
で考えているのかと思った。

・ すぐに「財政的に」という言葉が出て、議員個人の考え・判断だけを基にした話し合いでしかな
く、市民の声を聞き、市民のためにという雰囲気ではなかった。Bさん以外の議員が、どれだけ図
書館についての市民の意見や要望を聞いたのだろうか。特別委員会に入っている議員ならば、それ
ぐらいは義務としてすべきだと思うが。

・ Bさんが、最後にその他の連絡事項で、新聞記事を持ってきて、電子書籍について説明をしてい
たが、端末がない人などもいるわけで、すべての市民を対象とした発想ではないと感じた。また、
絵本など子どもの本は、電子書籍ではその良さは伝わらないし、本を読む環境も考えたら、「イン
ターネットで文字をたどるだけを読書と考える」という貧しい発想では、図書館問題特別委員会の
委員として恥ずかしいと思った。